全ての重病患者に届くような世界を作る
バイタルトーク(VitalTalk)とは?
バイタルトーク(VitalTalk)は、約20年前に米国の緩和医療医らによって開発されたコミュニケーションスキルのトレーニングです。重篤な疾患をもつ患者や家族に、病状や予後、治療の中止などを伝えることや、これからの治療のゴールを話し合うコミュニケーションスキルは、医療者にとって欠かせないものです。不十分なコミュニケーションは、医師-患者-家族関係の悪化や、患者の望まない治療の継続、医療者の燃え尽きにもつながることが知られています。
バイタルトークのトレーニングでは、科学的根拠に基づいたトレーニング方法に基づき、少人数のグループでの模擬患者とのロールプレイ、教員や参加者からのフィードバックを通じて、安全な環境で、新たなコミュニケーションスキルを学び、実践する機会を得ることができます。
米国では、いくつかのトレーニングコースが開催されており、自己学習のみのオンラインコース、1日3時間×2日間のコミュニケーション研修会、各専門分野に特化したコース(OncoTalk、IntensiveTalk、CardioTalk、EMTalkなど)、自分の施設等で教えることができる教員になるための教員養成プログラムなどがあります。詳しくはこちら
かんわとーく設立の経緯
かんわとーくは、米国でバイタルトークのトレーニングを受けた6人の日本人医師により結成され、2019 年より活動を開始しました。
日本においても、近年、医師のコミュニケーションに対する社会的な関心は高まってきました。医学教育モデル・コア・カリキュラムの中でも、医師として求められる基本的な資質・能力として「コミュニケーション能力」が掲げられ、全国の医学部で、基本的なコミュニケーション、医療面接の教育が行われるようになっています。一方、卒後の臨床現場や各専門領域で必要とされるより高度なコミュニケーションについては、必ずしも系統的な教育やプログラムが十分に行われていないのが現状です。
かんわとーくでは、米国のバイタルトークのトレーニングプログラムに基づき、日本の医療者のために日本語での研修を提供しています。日本におけるプログラム導入にあたって、対人関係やコミュニケーションに関する文化的差異にも配慮し、プログラム内容及び実施方法を検討しました。
設立にあたってのメンバーの思い、詳しい経緯については、各講師のプロフィールをご覧ください。