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バイタルトークとの出会い
米国でSurgical Critical Careフェローを開始した時、オリエンテーション期間中に、VTの派生であるIntensive Talk受講が必修となっており、まったく内容も知らずに、義務的に受講しました。 -
バイタルトークによってどのように自分のコミュニケーションが変わったか
VTを受講するまでは、End of life discussion (EOLD)がとても苦手でものすごい抵抗を感じていました。VTを受講し、まず、EOLDが医者側にとって難しいものであるのが当たり前のことであると認識でき、気が楽になりました。バッドニュースを伝えなくてはいけない医者側のストレス、バッドニュースを聞かされる患者側の悲嘆や怒りといった感情、それらはEOLDでは予想された流れであり、それに対応するためのスキルは、手術の手技などと同様に、トレーニングして身につけるものであることをVTで学ぶことが出来ました。そして、常に患者の価値観を中心にゴールを決めて行くこと、決して自分の思い込みや価値観を患者に押し付けないということを学びました。 -
かんわとーくを始めた理由
私は米国で外科レジデント、外科集中治療フェローとして臨床経験を積み、日本に帰国しました。日本では救命センターに配属され、重症疾患急性期で終末期となる患者を多く診療するようになりましたが、そこではVTで示すような患者の価値観に沿ったEOLDがなされることなく、患者の望みも聞かずに延命治療がなされていくことに疑問を持ち、日本でも救急・集中治療に関わる医療者にVTのようなEOLDトレーニングが必要であると感じたからです。 -
日本の医療者に伝えたいこと
是非、VTに触れていただき、患者の価値観を引き出し、患者にとって最良のゴール設定が出来るような会話のスキルとそのトレーニング方法を知っていただければと思います。