Eriko Onishi, MD大西 恵理子

Assistant Professor, Oregon Health and Science University, Department of Family Medicine
Medical Director, Prestige Care Rehabilitation Center of Reedwood
Salem Hospital Inpatient Palliative Care physician
Medical Director, Adventist Hospice
Signature Home Palliative Care Physician
筑波大学附属病院臨床准教授

海外での研修歴
Family Medicine Residency, Union Hospital, USA
Master of Clinical Research, Oregon Health and Science University, USA
  1. バイタルトークとの出会い

    病院緩和医療をしながら決して諦めない患者や家族に対応しながら、どうしてこんなにも現実が見えないのか不思議に思う気持ち、時には不満や怒りにも変わっていく自分の気持ちにも辛さを感じていました。そんな時にV Tの教科書とも言われている『Mastering Communication with Seriously Ill Patients』に出会い、感情ををデータとして取り入れることの大切さ、会話は技術であり練習すれば上達するものだということを学び、こんなに分かりやすく、実践的な会話方法を教えてくれるV Tに非常に興味を持ちました。米国ホスピス緩和学会でのVTのワークショップに何回か参加して感銘を受け、V Tの集中コース、そしてさらにファカルティーコースも終了しました。 現在はシニア・ファカルティーとして米国でもVTのコースを全国的なレベルで教えさせて頂いています。
  2. バイタルトークによってどのように自分のコミュニケーションが変わったか

    緩和、終末期の患者さんや家族だけでなく、プライマリ・ケアの現場で様々な慢性病や慢性疼痛と立ち向かって生きている患者さんの診療、対話にもV Tで学んだ感情に注目し、共感を常に示す技法はまさに私の診療スタイルとなりました。診療の場所や内容に関わらず、患者さんの訴えに耳を傾け、感情に注目し共感を示すことにより患者さん、家族との信頼関係がすぐにそして強く構築されるようになりました。そうすることによってより良い医療がしやすく、診療が捗るとともに、自分自身も楽になりました。
  3. かんわとーくを始めた理由

    2013年から筑波大学医学専門学群で医学生に英語での医療面接を教えさせていただきながらCST(Clinical Skill Training)で日本全国で模擬患者さんとして活躍されている筑波SP会代表の佐藤菊枝さんと一緒にお仕事をさせていただく機会に恵まれました。日本ではがん患者を診療する医者に対する医療会話技術のトレーニングはかなり浸透していますが、非がん患者を診療する医者に対するトレーニングが限られていることを知りました。こんなに自分の役に立っているV Tの技法をぜひ母国の日本の医療者、そして国民の皆さんにも役立てばと思い、2019年日本プライマリ・ケア学会で植村健司先生、湯浅美鈴先生、佐藤菊江さんとV Tを紹介させていただいた際、予想を超えて協賛を得たので本格的に日本にV Tを広めたい気持ちが固まりました。
  4. 日本の医療者に伝えたいこと

    患者、家族の話に耳を傾け、心から一緒に悲しんだり、喜んだりできる医者であることは国境を超え共通して大切です。そうすることで患者―医師関係が築かれます。医者一人一人がそうすることでその人に本当に適切な医療を提供しやすくなります。医師の最終目標は患者に適切な医療を行うことです。患者、家族が望むケアと医学の現実に沿った医療を患者のその人なりを理解しながら一緒に行っていきましょう。そうする事で私たち医療者も本当にやり甲斐のある医療を提供することができます。そんな医療をするためには会話の技術を持っていなければなりません。そしてその技術は他の医学を学ぶ様に訓練することによって磨かれます。

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